解体を自分でやってみよう!注意点と手順をしっかり解説~ブロック塀編~

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頑丈で屈強なブロック塀は、時に目隠しとして住まいのプライバシーを守ってくれたり、防犯・防火の役割を果たしてくれたりしますが、老朽化が進み劣化してくると、破損・倒壊の恐怖が出てきます。その頑丈さが、逆に脅威となってしまうのです。

大きな地震で倒れてしまう・崩れてしまうという事故が起きる前に、解体や補修など適切な処置が必要です。

ところでブロック塀は、自分自身で解体することができるものなのでしょうか?

頑丈ゆえにきちんと業者に頼むべきというイメージが強いブロック塀ですが、今回はこれを自分で解体するときのポイントを見ていきましょう。

解体が必要なブロック塀

不安定・傾いている

目で見て明らかに傾いているのがわかるブロック塀は、基礎や地面に近い部分が劣化していて、いつ倒壊してもおかしくないものです。多少の補強をしても地震などでまたすぐ強度が下がる恐れがあるため、すぐに解体すべき状態のブロック塀であるといえます。

ひびが入っている

最初は小さなひびでも、そこから雨水が侵入することで徐々に大きく深くなって、深刻な状態になります。

背が高すぎる

地面から2.2mを超えるブロック塀、1.2m以上で擁壁がないブロック塀は、地震などで倒れてしまう危険性が極めて高いものです。補強するか、基準に合うように解体するかという処置が必要です。

厚みが基準に達していない

ブロック塀には適切な厚みというものがあり、「高さが2m以下であれば厚さ10cm以上、高さが2mを超えて2.2m以下であれば15cm以上」が必要です。これを満たしていないブロック塀は安全性が低いものと判断されます。

築30年以上経過している

ブロック塀の耐用年数は30年といわれているうえ、中に埋め込まれている鉄筋の耐用年数はそれよりも短く、15~20年です。つまり30年経過しているものは、外見が問題なさそうでも強度はかなり弱くなっていると判断されます。30年を基準として、解体するべきといえます。

基礎が入っていない

ブロック塀にも基礎部分は必要で、具体的には「基礎部分の地上部が高さ35cm以上、地下部が地中30cm以上」が適切とされています。基礎がなければ揺れや衝撃にも弱く、倒壊の危険は増すでしょう。

道具

・作業着

・安全靴

・粉塵対策用のめがね・マスク

・保護具

・石頭ハンマー

・ノミ

・電動ハンマー(必要に応じて)

・グラインダー(鉄筋を切断する電動工具)

しっかりとした工具ももちろん必要ですが、危険の伴う作業ばかりなので、体を守る装備もきちんとそろえておかなければなりません。

手順

近隣挨拶

家屋の解体ほどではありませんが、ブロック塀の解体にも騒音や粉じんの飛散、場合によっては振動の発生もあり、近隣住民に迷惑をかけてしまう恐れがあります。また、作業中の安全面や運搬車の通行などで不安に思わせてしまうこともあるでしょう。

のちのちのトラブルを予防するためにも、解体を始める前にあらかじめ近隣をまわり、挨拶をしておくことをおすすめします。おおげさなものでなくても、顔を見て話をしておくだけでも印象は全然違うものです。

ブロック塀を壊す

利き手ではない方の手にノミを持ち、利き手で石頭ハンマーを持ってノミの頭をたたき、ブロック塀を少しずつ丁寧にたたいて壊していきます。

間違ってハンマーで手をたたいてしまったり、壊したコンクリートの破片が足に落ちたりしたらケガにつながりかねません。慎重に進めていきましょう。

また、電動ハンマーを使えば手動よりも楽ではありますが、反動があるため別のコツが必要になります。こちらも一歩間違えれば大ケガの元なので、くれぐれも気を抜かずに作業を進めていきましょう。

また、このとき粉じんが舞うので、適度に水をまいていきます。

鉄筋を切断する

ブロック塀の内部に隠れている鉄筋を切断します。専用の電動工具(グラインダー)にダイヤモンドカッターを取り付けて切っていくのですが、この作業も非常に危険です。切断は一瞬ですが、こちらも油断しないように進めましょう。

コンクリートガラ・鉄筋を処分する

一通り解体が終わると、大量のコンクリートガラと鉄筋が積まれているはずです。きちんと分別してそれぞれを産業廃棄物として処分します。

くれぐれも燃えないゴミなどの収集に出してはいけません。詳しい処分方法・運搬先は、お住いの自治体に確認することをおすすめします。対応を誤れば不法投棄として罰せられる恐れまで出てきてしまいます。

清掃

細かいコンクリートガラや粉じんを清掃します。

すべてのブロック塀を解体したのならいいのですが、一部を残した場合、断面を「小口補修」といってセメントできれいに塗る作業をした方がきれいに仕上がります。しかしこちらは特に素人には難しく、DIYでは対応し切れないかもしれません。

ブロック塀を自分で解体するときの注意点

ケガに気をつける

ブロック塀は頑丈で、なおかつ重量があります。解体には力がいるうえ、破片が飛んだり足に落ちたりという危険もあるでしょう。慣れない工具の扱いで疲労がたまり、普段なら思いもしないケガをしてしまうかもしれません。

少しでも無理を感じたら、その時点で自力の解体はあきらめて、業者に託すのもひとつの方法です。

コストパフォーマンスを考える

安上がりだと思って自力での解体を選んでも、工具などの必要なものをそろえていると費用はそれなりにかかってきます。

また、大掛かりな道具は使えないため、時間はかかります。手間も、体力もかかるでしょう。

総合的なコストパフォーマンスで考えると、結局業者に頼んだ方がよかった、ということにもなりえます。

自分でブロック塀の解体を考える際には、このように費用・時間・手間・体力といったトータルコストで見て判断するようにしましょう。

「とりあえず解体はできたけど、仕上がりがきれいにならない」ということもあるはずです。素人の限界というものはたしかに存在します。前述したように、慣れない仕事でケガをすることもあるかもしれません。

コストパフォーマンスには「安心」と「安全」も計算に入れないといけないのです。

所有権を確認しておこう

ブロック塀の役目には「プライバシーの確保」「防火」「防犯」といったものの他に、「境界線」の役割を果たすことも挙げられます。

ブロック塀を境に、自分の敷地と隣家の敷地を分けているという場合、ブロック塀の所有権はどちらにあるのかをはっきりさせておかないと、のちのちトラブルになる可能性があります。自分の敷地にあるからといって、すべてのブロック塀の所有権がこちらにあるとは限らないからです。

自分のものだと思って解体してしまったあとに、隣家からクレームをつけられてしまうという事態も十分考えられます。手遅れになる前に、あらかじめきちんと所有権を確認しておくようにしましょう。

まとめ

・ブロック塀は重量があり、解体には力がいるうえ、慣れない工具の扱いもあって、解体には相当な慎重さが要求される。自分で行うのか、業者に頼るのかは、総合的なコストパフォーマンスから判断しよう

・自分のブロック塀だと思って解体したのに、隣家のものだった…など、所有権に関するトラブルは後を絶たない。あらかじめきちんと確認してから解体を始めること ブロック塀の老朽化は、破損や倒壊の恐れがあり大変危険です。業者に頼まず自分で解体することを選ぶにしても、早急な準備と実行が必要です。ポイント押さえ、くれぐれも安全に配慮しながら、作業を進めていきましょう。

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